ストーリー概要

世界観

斎藤雅之は触手の集合生命体である。

何故彼がこの地球上に姿を現したのかは謎であるが、 諸説は所詮仮説であり、 噂に過ぎず真実とは程遠いところにある。

彼について分かっていることは少なく、その個体もいまや彼一人のため、 彼を研究するにあたり、できる限り自然な環境下に置く事で合意がなされた。

偽りの街に偽りの住人たち。
そこで彼は暮らしている。

そうして彼は学生として学校へ通っており、偽りの同級生たちと勉学に勤しんでいた。

彼の世界に男性は存在しない。

してはならない理由があった。

何故なら彼は自分を人間の男だと思っているからだ。

実際の男と対面させることは、彼という生物を人間ではないと断ずることであり、 そのショックに彼の精神が耐えられるか未知数のため、 男性との接触は国際法によって禁じられていた。

なぜなら彼はとてもストレスに弱い。

身体は不死身と言っても過言ではないほど強靭で、 触手の9割が損失しても再生可能だと言われている。

ミサイルで木っ端微塵になっても、 細胞が数片残っていれば再生できる化け物でもあるが、 対照的に彼の心はカゲロウのように繊細で儚い。

故に彼の住む街は女性だけのパラダイスだ。

彼を取り巻く日常は男性が居ないという点を除き、 平凡で穏やかなものであった。

だが彼が人(?)並みに発情期を迎えた頃、 彼の繁殖の対象となりうる学園の生徒たちは、
心中穏やかではいられなかった。

なぜなら彼女たちには拒否権がないのだ。

彼に望まれたらその身体を差し出さなければならない。

それがこの町に住む条件であり契約であり命令なのであった。

その作業は何よりも優先される。

だが、そのような密約があることを彼は知らない。

それ故に純朴な彼はその性欲を自己で処理し、 女性たちに害が及びことは無かった。

少なくともいままではそうだった。

だがこれからもそうだとは限らない。

いや、打破しなければならない。

彼が覚醒し、 その本能の赴くまま女性たちを蹂躙するときが来ないとは限らない。

いやきてもらわないと困る。

彼の寿命が無限なら、 そのようなことに杞憂する必要は無いが、 彼の細胞も分裂に限界があり、 限界があるということは、 寿命もあるということだ。

彼が人間の女性を介して子孫を残せることは 過去に彼の同族によつて証明されていた。

最後の触手の生き残り。

斎藤雅之の物語がいまここに開幕する。